コロナウイルスの感染が全国的にはだいぶ鎮静化しており、昨日は大阪・兵庫・京都が緊急事態宣言解除となりましたが、神奈川を含む1都3県は変わらず。なかでも神奈川の数字が下がらず、この県西地域での院内感染が最後に残っている状況です。医療現場の皆さんにはたいへんなご苦労をかけていますが、もうひと踏ん張りして頂くためにも、皆で支え合い、応援していかねばならない局面です。
午前中、私が招集する最後の幹部会議を開催。市長選の選挙結果を踏まえ、市長が交代するにあたっての今後の事業の進め方について、全ての部局長・副部局長らに訓示を行いました。市民が示した願いは、これまでの政策の継続と、新しい取り組みへの着手が、まさに半分ずつであり、これまでの成果をしっかり活かし、その上に新たなチャレンジを載せていくことが望ましいこと。各事業をこれまで推進してきた職員として、現状や課題について新市長にしっかりと説明し、今後必要となる政策の在り方について積極的に新市長と議論をすることなどを伝えました。
午後は、来週から市長に就任する守屋氏へ、重要事業などについて引継ぎを実施。私が選挙戦を前に取りまとめたマニフェスト「新しい小田原へ第4ステージの取り組み指針」に列記した政策リストを用いて、約1時間、全ての政策分野にわたり主要な課題や今後の見通しをお伝えし、幹部会議の様子も報告。市民力や地域力を育ててきたこれまでの成果の上に、守屋氏の得意とする部分を載せて、ぜひ市政を更に進化させてほしいとの期待を伝えました。
そのほか、市社会福祉協議会の小野会長に、ケアタウンなどの仕上げに向けた更なる協力を要請。また県市長会の副会長らに架電、後をよろしく頼むと伝えました。空いている時間で、市長室内の膨大な書籍や資料などを仕分け、あとの片づけを秘書室に依頼。
この日、両副市長と最後のミーティング。毎週月曜と木曜の朝一番で必ず行ってきた、課題の進捗管理と市長指示を行う、市政運営においてとても重要な場でした。加部副市長は私の就任直後に選任し、まさに3期12年間最側近として私を支えてくれました。時田副市長は私の就任後に企画部長などの要職を任せ、その後2期にわたって支えてもらいました。加部さんは行政の枠組みや財政規律を重んじる小田原市役所随一の能吏であり、行政の仕組みに疎く奔放になりがちな私の政策意図に現実感を与えてくれたと共に、職員や議員からの人望も厚く、何度救われたか分かりません。時田さんは、私がCLCA(子どもと生活文化協会)事務局長だったころから存じており、公務員という枠をはみ出した柔軟かつアグレッシブな発想と仕事ぶりで、加部さんとは良い意味で対照的に、思い切った取り組みを様々に提案してくれました。また文化方面の造詣が極めて深く、市政を新しい展開へと切り拓いた人でもありました。このお二人の、的確かつ絶妙な参謀機能がなければ、加藤市政、すなわち「新しい小田原」への歩みは難しかったと思います。言い尽くせぬ感謝の想いでいっぱいです。
また、お世話になってきた秘書室の皆さんとは、最後のランチを共にしました。両副市長と、公用車の運転を長年務めて頂いた2人の管財課職員も一緒に、清風楼さんのお弁当を頂き、和やかに歓談。市長の公務が円滑に進むよう、あらゆる配慮で支えてくれた秘書室チームの皆さん。12年間の中では、病で亡くなられた方もいるのですが、私にとってはかけがえのない仲間でした。本当にありがとう。新しい市長にも、これまでと同じようにしっかりと支えてあげてほしいと思います。
今日は、公務最後の日。これまで共に県西地域の中で協力し合ってきた近隣の首長さんらにご挨拶に廻り、最後は退任式に臨みます。苦楽を共にしてきてくれた職員の皆さんに、これまでのお礼と、ここから先の難しい状況を乗り越えるべく頑張ってほしいとの思いを伝えるつもりです。そして、私自身がこれから民間の立場に戻っても、皆さんと共に在り、市民の立場で課題解決を担うことで市政を支えていく旨、しっかり伝えたいと思っています。
この「市長の日記」も、今日が最後となります。就任前から折に触れ綴っていましたが、市長にしか見えない景色や想いを市民の皆さんと分かち合いたいと、2009年の3月からは土日祝日以外ほぼ毎日更新、通算で2000以上の投稿をしてきた、市政の貴重な記録でもあります。今後は私の個人のフェイスブックなどで、これからの動きや、都度の想いなどを発信していくつもりです。長年、この日記をお読み頂いて来た全ての皆さんに、この場をお借りして心から感謝申し上げます。そして、「新しい小田原」への歩みがさらに進化していくよう、引き続き市政を見守って頂きたいと念じ、最後の「市長の日記」を閉じさせていただきます。
稔り多き、そしてご縁に恵まれた、本当に豊かで充実した12年間を、ありがとうございました。
重要案件としたのは、SDGs、地域循環共生圏、再生可能エネルギー、おだわら市民学校、市民ホール、ケアタウン、地域コミュニティ、市民活動、市立病院、ハルネ、森づくり、農業振興。それぞれ、担当する部局の部長や職員らに、新しい市長と意見交換をしながら、これまで積み上げてきた実績を活かして、事業をしっかり継続していくよう、そして市長が替わっても市民のためにこれまで以上に頑張るよう、上記12のチームに私の想いを伝え、激励しました。
また、この日も、これまで一緒にまちづくりに取り組んで頂いて来た皆さんが、急きょ市長室をお訪ね下さいました。おだわら環境志民ネットワークの代表である辻村さん、おだわら名工舎の芹澤毅さん、林青会の高木大輔さん、かまぼこ通り活性化協議会の田代守孝さん・小西里奈さん。これまでの協働の取り組みを振り返りつつ、今後に向けて引き続き市政への協力をお願いすると共に、市長とは違う立場になっても小田原のために力を尽くす旨お伝えし、今後も一緒に活動していこうとの想いを分かち合いました。
また、3期12年にわたって市民と行政との協働を育ててきた、市民生活にまつわる幾つかの重要な分野について、その主たる担い手である諸団体のリーダーの皆さんと個別に面談させて頂き、市長が交代した後も変わることなく歩みを進め、市政を支えて頂くよう、私の想いをお伝えしました。お越しいただいたのは、FMおだわらの鈴木社長、小田原市民生委員児童委員協議会の岡田会長、市民活動を支える会の椎野理事長、小田原市文化連盟の関口会長、自治会総連合の木村会長。この日都合がつかなかった、小田原市社会福祉協議会の小野会長にも、同様にお願いする予定です。
また、市政情報の発信などで常にご協力頂いて来たタウンニュース小田原支社の野口支社長らも来室頂きましたので、改めて感謝をお伝えし、引き続き小田原のこれからの歩みを支えて頂くよう、お願いしました。
コロナウイルス対策の陣頭指揮をとる真っ最中であり、また当年度の重要事業などが目白押しで動いている中ですので、後継市長にしっかりと引継ぎをしつつ、市政継続に遺漏のないよう各担当部局の職員らに指示を出しておくつもりです。また、共にまちづくりを担ってきて頂いた諸団体の皆さんなどにも、今後に向けて取り組みが停滞することのないよう、協力要請を行いたいと考えています。
20日にはようやく予約制PCRセンターが運用開始となる予定であり、その他、休業要請業種以外への経済的支援策なども実施に向けて庁内調整を進めます。市立病院の院内感染の経過確認、特別定額給付金の支給事務の進捗確認など、対策全般を止めることなく進めて行きます。
7階西病棟で感染の発生した市立病院の状況について、病院管理局職員から直近の状況が詳しく報告されました。同様の内容は既に市立病院HPに第7報として掲載されていますが、感染の疑いがある患者さんたちの受け入れにより院内の病室に空きが無くなっていることから、県西地域全体での医療機関連携が喫緊の課題となっており、具体の役割分担の議論を進めています。また、外来では電話診療も開始し、来院を出来るだけ少なくして頂く方策も始めていきます。
関連して、小田原医師会が主体となって進めているおだわら予約制PCRセンター(検査場)は、設置工事がほぼ完了、14日にシミュレーションを行い、来週からいよいよ運用が始まっていきます。市としてもしっかりと協力していきます。
経済支援関係では、休業要請業種の皆さんへの支援金支給の実務が進んでいます。12日の段階で1000件を超える申請があり、うち740件を既に支給決定、早いものは振り込みが始まっています。国からの特別定額給付金(一律10万円)では、11日から始まったオンライン申請が今朝の段階で1850件超。コールセンターを13日に設置して様々なお問合せに対応しています。雇用調整助成金の申請には、社労士などの専門家のサポートが受けられるよう支援をしていますが、面倒で煩雑な事務手続きから申請は今だに少なく、これまでで20件ほどに留まっているようです。
ひとり親世帯に支給する児童扶養手当の上乗せ支給分は、当初の予定よりも早めの支給が可能になりそうです。
休業が続き家庭で多くの時間を過ごしている子どもたちのために、教育部が中心となって「おだわらっ子チャンネル」を立ち上げましたが、そのコンテンツが次第に増えています。特に、入学式と登校日以外、先生や友達と交わる機会がなく、授業も受けられない新一年生に向けての、市内の幼稚園・保育園の先生方からの動画メッセージが出色で、見ていてこちらも楽しく嬉しくなる内容。ぜひ、更なる充実を図り、コロナウイルス終息後も活かしていける有効なコミュニケーション手段に育てていきたいです。
すでに保健所の指導を受け、重点医療施設等へ患者さんを搬送し、病棟を消毒するなど必要な対策を講じているところです。市民の皆さんにはたいへんご心配をおかけし申し訳なく思っております。市立病院に疑似症例の患者さんが集中してきたことから起きた一連の感染状況を踏まえ、近隣の病院との連携や役割分担が不可欠であり、県や保健所とも相談しながら、体制整備を急いで進めているところです。
12日、市内の各小学校で開設されている放課後児童クラブの様子を見て廻りました。午前中に千代小・豊川小・富士見小、午後に桜井小・富水小・足柄小の、計6校。それぞれ、各クラブの指導員さんたちにご案内いただきながら、子どもたちの様子、感染予防において注意されている点、現時点で困っていること、今後の課題などについてつぶさに伺うことが出来ました。
小学校が休校となってから、各クラブでは朝8時から夕方6時半まで、長い時間におよぶ開設が続けられています。働く保護者の皆さんにとっては欠くべからざる存在である一方、子どもたちが集団で活動することから「密」が発生することは不可避であり、市としては利用の自粛にご協力頂くよう保護者に要請をしてきました。それを受け、クラブにもよりますが、利用する児童数は少ないところで平常時の3割程度まで下がっており、ある程度ゆったりした空間が確保されていました。それでも中には、平常時の半分以下であっても40人を超える児童が集っているクラブもあり、マスク着用や手洗い励行はしっかりやっているものの、密にならざるを得ないのが実態です。
そのため、指導員さんたちは細心の注意を払い、事前事後はもちろん、活動時間中も除菌などをこまめに行い、子どもたちの健康状態に気を配る毎日。連日、朝から夕方までの長時間勤務が、3月から今に至るまで長期化していることから、ローテーションを組んでの運営にもかなりの疲れがたまっている様子がありありと窺えました。
それでも、そうしたご苦労のお陰で、子どもたちは伸び伸びと元気に、クラブの中で過ごしていました。今後、緊急事態宣言が解除もしくは緩和となっても、学校の授業が直ちに以前のように平常化するのは難しく、放課後児童クラブの活動も現在の形をしばらくは続けて行かねばならないでしょう。指導員さんたちのご負担が軽くなる日が一日も早く来るよう、市としてもコロナウイルス対策に迅速に取り組んでいかねばならないと感じました。
朝一番で、各分野におけるコロナウイルス対策の状況などを確認。おだわら予約制PCRセンター(PCR検査場)は小田原医師会と連携、開設に向け準備が進んでいます。医療や介護の現場への防護資材供給に向けては、まずは量をしっかり確保するよう、改めて指示。
経済支援では、市単独の支援金にはすでに約800件の申請があり、順次審査を行って支給決定を進めており、支給実務に移行しつつあります。新たな融資制度への申請も一日当たり数十件に増えており、民間金融機関OBも加わって相談体制を強化しているところです。
国からの定額給付金(一律10万円)は、11日からオンライン申請ができるようになっており、日付が変わったと同時に申請が多数届いています。5月中には1回目の振り込みができる見通しです。全国一斉にこの事務が動いていることもあり、申請書発送に用いる窓付き封筒が払底しているため、申請書の発送は今月下旬になる見通し。
除菌水は引き続き市内5か所で配布中、連日2000人近い皆さんにご利用いただいています。おだわらっ子チャンネルは、新1年生に向けた市内各保育所・幼稚園の先生方による動画メッセージが次々とアップされており、とても好評です。
この日は、市内の保育園で過ごす子どもたちや、保育士の先生方の様子やご苦労などを伺うべく、4園をお訪ねしました。曽比の桜井保育園、曽我谷津の城前寺保育園、成田の豊川保育園、東町の山王保育園。それぞれ、園長先生にご案内を頂き、またお話を聴かせて頂きました。
いずれの園も、通常に比べて3割から5割程度の園児数となっており、いつもより子どもたちの密度はだいぶ少ない感じではありますが、先生方は細心の注意を払って子どもたちの環境に配慮されていました。除菌水などを使って一日に何度もドアや取っ手、机や椅子を清拭することをはじめ、換気、食事どきの席の間隔、お昼寝の際の布団の間隔など、できるだけ密にならぬように努力されています。しかし、子どもたちの生活では抱っこしたり手をつないだり、ましてや0〜1歳児では抱きかかえての保育が不可避であること、子どもたちも集団になって遊ぶことなど、保育園の環境下では「密」を避けることができません。先生方はそうした中での気遣いの日々であり、心労が積み重なっていると感じました。また、保護者のお勤めの状況などによって給食の数に変動が生じることが多く、食材のロスが多く発生していることも悩ましいとのこと。
様々な課題を抱えながらも、何とか保育の現場を支えて頂いている皆さんに、私からも感謝を述べると共に、何かあれば遠慮なく相談してほしいとお伝えしました。
8日、市議会6月定例会に上程する予定の補正予算について、理事者査定を行いました。コロナウイルス対策関連のものから、国が進めるICT教育関連、各種まちづくり関連、基盤整備関連など、多岐にわたる予算項目について、所管と調整。また、5月末に開かれる臨時議会での案件なども確認しました。全体を通じて、コロナウイルス対策に必要な措置を、タイミングを逸することなく、しっかりと講じていくことが肝要です。
午後は、緊急事態宣言の延長を踏まえ、コロナウイルス感染症対策本部会議を招集。国から示された基本的対処方針を確認するとともに、市立病院における感染のその後の状況、公共施設の使用抑制についての考え方、学校の休業の見通し、特別定額給付金の交付準備、各種経済支援策の利用状況などをつぶさに情報共有しました。今朝の報道では、感染拡大の見られない県については早期の宣言解除の可能性もあるとのこと。感染拡大の終息、そして一日も早い暮らしと経済の平常化に向け、今はご苦労されている皆さんへの支援をしっかり行う時です。
この日の午後、市内を始め当地域で訪問看護を行っている事業所をお訪ねし、訪問看護の現場における厳しい状況やご苦労を詳しく伺いました。
お訪ねしたのは、宙(コスモス)訪問看護ステーション。同施設の管理者である秋山さん、看護師の上原さん、他施設から、小田原医師会訪問看護ステーション管理者の小林さん、Smiley訪問看護ステーション管理者の戸松さんが揃われ、訪問看護の現場でコロナ対策にいかに苦労されているか、具体的な様子をお聴きすることが出来ました。
利用者の皆さん、そして訪問看護師の皆さんが、それぞれ感染のリスクにさらされぬよう、感染防止のためのガウンやマスク、フェイスシールド、ゴーグルなどが必要ですが、十分な数量が入手できず、皆さん苦労して取り揃えたり、手作りで作成したりしながら、何とか凌いでいるが、限界があること。そうした費用はそれぞれが負担したり、ステーションの追加的出費としても重くのしかかっていること。利用者と直に接することが不可避である看護の中で、どうやって感染を防ぐのか、日々手探りであること。万が一、ご家族に感染が発生した場合に、利用者が一人になってしまう状況を支える体制が必要であること・・・など、数多くの難しい対応を迫られている状況を伺いました。皆さんは高いプロ意識から、コロナウイルス対策に真剣に取り組まねばならない、私たちが感染したら訪問看護の現場が立ち行かなくなり、訪問看護を必要としている人たちを守ることが出来ない・・・そうした強い危機意識で職責を果たされようとしている様子が、ヒシヒシと伝わってきました。
市としては、感染防護資材の供給や財政支援のための財源を既に措置していますが、十分にそれが活かされていない段階であり、一定の量をまとめて確保し現場を支えるよう、改めて指示しました。また、訪問看護の利用者を守り、何かあれば地域の訪問看護師が連携して感染対策にあたれるような体制づくりについては、引き続き関係者の皆さんと意見交換を行っていきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症の対応により診療体制がひっ迫している市立病院の状況に鑑み、県西二次保健医療圏としての医療体制維持が急務であることから、小田原保健福祉事務所の長谷川所長、重点医療機関である足柄上病院の経営者である県立病院機構の吉川理事長に電話し、市立病院の切迫した状況を伝え、一日も早い協力体制の構築に向けた協力を強く要請しました。
経済対策では、宣言が延長となったことで経営難が深刻化することが明らかである以上、追加的な経済支援策が不可欠。休業要請の業種だけでなく、売り上げが大幅に減少した事業者にあまねく行き渡る支援金を交付する方向で、対策案をまとめたいと思います。市長等の給与減額も考えています。
市立小中学校は、5月31日までの休業延長とすること、分散登校日などを設け児童生徒の健康状態や学習状況を確認すること、放課後児童クラブは指導員の皆さんの頑張りで無事に運営できていることなどを確認。休業長期化による子どもたちの心身の影響を和らげる施策について考えてほしいと、教育長らに依頼しました。
本日午後には対策本部会議を開き、改めて全庁的な情報共有と動きの確認を行います。途切れることなく対策を打っていくことが肝心です。
午前中、神奈川県市長会の相談役である、海老名市の内野市長が来室されました。コロナウイルス対策の取り組みや課題などについて率直に意見交換、当面の県市長会の運営についても考えを共有しました。現在5期目に入っている内野市長は、県市長会の中でも特別に元気な方であり、先輩市長としてその行動力や発信力、加えてきめ細かい配慮には常に感服しているところです。折に触れて、まさに率直な意見交換を行える方であり、とても心強く感じています。
午後は、座間市へ。県市長会の規定で、任期が3期12年に達する市長を表彰する制度があり、昨年は私も対象となりました。今回この対象となるのが、座間市の遠藤市長。県市長会の会長である私から、遠藤市長に表彰状を交付させて頂きました。表彰状伝達もそこそこに、話題はコロナウイルス対策。日産など製造業系の大手事業所が多数存在する座間市にとって、経済活動の停滞が極めて憂慮されるとのことでした。感染によってではなく、経済の苦境によって亡くなる人が出てしまいかねない状態を、何とかしなくてはならないとの思いは、観光地を控える小田原も同じであり、緊急事態宣言下での暮らしや経済のあり方について、やはり率直な意見交換をさせて頂きました。いずこも、首長の悩みは深いです。
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市立病院では、4月29日に看護師からPCR検査で陽性が出て以来、入院されていた患者さんと当該病棟の看護師の皆さんに感染の拡がりが確認されており、昨日までの県の発表で合計18名が陽性となっています。市民の皆さんにはたいへんご心配をおかけしていますが、小田原保健福祉事務所の指導のもと、検査すべき対象者の検査はすべて終えており、感染のあった病棟の消毒なども含め必要な対応は済ませた上で、病院としては一部縮小した体制ながら診療を継続します。(詳細は病院HP)
小田原市のみならず、県西地域の高度急性期医療の基幹病院であり、地域住民のいのちを守る最後の砦でもある市立病院は、感染の疑いがあっても診療要請のある患者さんたちを拒否することはできないため、感染リスクに万全の体制を取った上で受け入れをしてきた経緯があります。難しいのは、入院初期のPCR検査では陰性で症状も軽い、いわゆる偽陰性の患者さんや、検査結果が出るまで院内で様子を見なければならない患者さんへの対応です。こうした皆さんを、専用・独立の空間でしっかり見守る体制を、今のひっ迫した医療現場の中で確保することは物理的に難しく、県西地域全体の機能分担や連携の中で考えねばならない喫緊の課題となっています。
こうした課題の解決に向け、県西地域広域医療圏として、関係者と断続的に対応を検討しているところです。なお、各医療施設の判断で検査を予約することができる、おだわら予約制PCRセンター(PCR検査場)の開設は、小田原医師会が主体となり、市と県が協力する形で、今月中旬の開設に向け準備が進んでいます。そして、これから建設を進める新市立病院では、こうした感染症対策の観点をしっかり盛り込んだ計画づくりがたいへん重要になると考えています。
30日から1日にかけ、市内の食品スーパーやホームセンターなどを視察。「市長への手紙」などでかなりの人ごみになっていることへの懸念が届いていることから、実際の様子を見て廻ったものです。各店、感染防止対策はしっかり講じられていますが、店長さんらに伺うと、時間帯や日によってはかなりの混雑になるとのこと。市民の皆さんには、お買い物の回数や時間を減らし、連れ立っての買い物は控えるなど、感染防止への行動にご協力を頂く必要があります。
また、次亜塩素酸水の配布会場を訪ね、開始当初に比べ落ち着いているものの、今も途切れることなく訪れる市民の皆さんの様子を確認、声を掛けさせてもらいました。現場を支えている事業協会とシルバー人材センターの皆さんにもお礼を伝えました。
30日午前中、小田原に工場のある五十嵐製箱?さんから、感染防止用の段ボール製パーティション(製品名は「ダンバリア」)を寄贈頂きました。接客業務における窓口などに設置して感染防止に役立てることができるものです。来訪されたのは、工場長の木立(きだち)さん、営業部長の佐藤さん、仲介役となった前市議の大村さん。今回は、間近に迫る小田原市長選挙の投票所において、感染防止対策として使うことを想定して試作されたとのこと。120基を寄贈頂いたので投票所に2基ずつ設置ができ、選挙以後も窓口などでそのまま使えそうです。木立さん・佐藤さんから、「こうした時期に、何か地域に貢献できることがあればと、作らせてもらった」といった思いを聞かせて頂きました。五十嵐製箱さんの段ボール製品化技術には様々なバリエーションがあり、かつ自由度が高く、今後も市の取り組みなどで連携させて頂けることがありそうです。
午後、小田原の様々なイベントを支えて頂いている関係事業者の皆さんから、コロナ対策に関する要望書を頂きました。コロナ対策で2月以降の市内イベントが軒並み中止または延期となり、事業者の皆さんは関連売り上げが大幅に減少、たいへん厳しい状況にあります。要望は、中小企業事業者への支援策の拡大適用と、神奈川県にも同様の措置を要望してほしい、というものです。2月以降中止になった主なイベントは、菓子まつり、かまぼこ桜まつり、おでんサミット、北條五代祭り、あじ地魚まつり、そして今後はあじさい花菖蒲まつり、酒匂川花火大会・・・。いずれも、小田原の各季節における風物詩であり、かつ地域経済振興に大きく関わるイベントばかり。今回の要望活動には9社が名を連ねていますが、こうした皆さんが健全に事業運営できてこそ、こうした各種大規模イベントがスムースかつ効果的に実施されてきました。支援策の検討と、消えてしまったイベントに替わる、皆さんと一緒に取り組める事業の創出などに、知恵を絞っていきます。
本日(1日)午後から県庁へ出向きました。27日・30日と頂いた地域事業者からの支援策要望に関し、県の対策にも反映してほしいとの要望を、さっそく武井副知事に伝えさせて頂きました。また、小田原でのPCRセンター開設に向けて連携強化し進めて頂くよう、首藤副知事に要望。さらに、この4月から就任され各種道路整備や災害対策を担当する小板橋副知事に、表敬訪問を兼ねて課題解決の推進をお願いしました。
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市内では、市立病院の看護師が陽性と診断されました。幸い、今のところ院内感染などの状況はないようで、保健所の指示を仰ぎながら、院内の消毒、濃厚接触の疑いがあるスタッフの自宅待機などの措置を既に済ませ、PCR検査を確認中です。市立病院では、県西地域の基幹病院としての責務を果たすべく、感染した中等症患者の受け入れに専念する足柄上病院の患者さんたちを受け入れ医療体制がひっ迫する中、一時的に受け入れざるを得ない疑似症例の方に対しても細心の注意を払って医療活動を献身的に続けてくれています。感染が拡がらぬよう万全を期し、また大切な医療スタッフも守りながら、市民の命を守る砦として医療を継続していきます。
政府は、緊急事態宣言の延長に向けて調整に入ったようです。5月6日までは何とか耐えて、と考えていた皆さんには、まことに辛い状況が続くことになり、市としても追加的な支援の枠組みを準備しなければならないと覚悟しています。28日には対策本部会議を開いて今後の対策の全容を確認、市民の皆さん向けのメッセージを発出すると共に、本日付で第2弾の各種対策に関する補正予算を専決処分しますが、その次も見据え、感染症対策・経済対策などの仕込みを進めます。
28日、小田原青年会議所(JC)の皆さんが来庁され、サージカルマスク1万2千枚を寄贈頂きました。(マスクは全部で2万枚確保され、箱根・真鶴・湯河原の3町にも配布されます。)これは、昨年7月にJC・小田原市社協・小田原市の3者で締結した「災害時における相互協力に関する協定」に基づくもので、今回の感染症拡大を一種の広域災害と捉えて対応頂いたものです。
来庁された6名の皆さんを代表して一寸木理事長より、今年度の諸行事が全面的に見直しをせざるを得ない中、この局面においてJCの使命をしっかり果たしたいとのお話があり、たいへん心強く感じました。こうした、いわば非常時にJCの活動を担う皆さんは、平常時にはできないような活動にも取り組めると捉えて頂き、ぜひ力を尽くしてほしいと、私からもお願いしました。ご自身の経営する事業自体が苦境にあるであろう中の尊い活動に、心から敬意を表します。
朝一番のコロナ対策チームミーティングでは、経済部産業政策課への融資相談や給付金問い合わせが相当な件数になっているとの報告がありました。福祉健康部からは、感染症対策の継続、集合検査場開設に向けた検討状況などの報告。いずれの部局でも、体制を整え、少しでも早く、そして多くの皆さんの苦境に支援を行っていきたいと、職員たちも頑張ってくれています。
例年この時期に大会が開かれる小田原市母子寡婦福祉会では、コロナ対策のため役員のみの集まりに変更され大会は中止となりましたが、毎年その中で行われてきた「母子世帯の母顕彰」だけは形を変えてでも行おうということで、昨日午前中、市長室にて市長表彰式が行われました。
いずれも、母一人で子育てを全うされお子さんが成人・独立を果たされた、脇さん、中島さんに、私から「母をたたえることば」と題した表彰状と記念品をお渡しし、ねぎらいの言葉を掛けさせていただきました。毎年のこのセレモニーでは、かつて私の母がそうであったことを思い出し、自分事のように感慨が迫ります。お二人とも、親としての責務を果たし、それが一段落していることへの安堵のお気持ち、お世話になった皆さんへの感謝などを、笑顔で語って下さいました。
続けて、小田原市内で事業を営む若手経営者の皆さんが来室され、コロナ対策としての支援策について要望書を頂きました。要望の趣旨は、県が休業要請している業種の事業者に対し市が上乗せする形で実施する支援金給付では、限られた業種にしか行き渡らず、休業や時間短縮などを講じていながら県からも市からも支援を受けられない業種に、深刻な経営難に陥りつつある事業者が多数いることから、支援金の対象事業者を「感染症拡大防止協力を行っている全ての市内事業者へと拡大」すること。また、同じ要請を県に対しても行ってほしい、とのことです。
この必要性については、この間市内の経済分野の実情を把握してきた中で、感染拡大防止を最優先に考え人の集まる業態に絞った支援策を打ち出してはいるものの、それではカバーできない事業者の窮状を目の当たりにしてきたところであり、市としても追加で実施すべき策として既に検討に入っていること、予算措置が出来次第実施に移していきたいと考えていることなどをお伝えしました。
来室されたのは、峯自然園の一寸木さん、マツシタ靴店の松下さん、干物店「大半」の椙崎さん、そして県政の立場から支援している佐々木県議。要望書と合わせ、市内で頑張っておられる若手経営者の皆さんの署名も頂きました。これまで、小田原のまちづくりや活性化事業に一緒に取り組んできた皆さんばかりであり、市としても迅速に動いていかねばならないと、しっかり受け止めました。お三方がお越しいただいた貴重な機会なので、それぞれの経営状況、各業界の状況などを、その場でいろいろと聴かせて頂きました。
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そんな中、関東学院大学小田原キャンパスでの新たな大学構想という明るい話題について発表ができたのは、とても嬉しくありがたいことでした。法学部が金沢八景の本学に移ってしまうと報告をされた当時は、たいへん落胆したものでしたが、その後、同学が誇る材料・表面工学研究所を核にした「国際研究研修センター」が設置され本間先生や高井先生らと親交を重ねてきたこと、法学部で開設された「地域創生特論」などに私自ら出講するなど関係を継続してきたことが、今回のご縁につながったものと受け止めています。
「日本先端大学(仮称)」設置準備委員会委員長の西和彦さんとお会いするのは、先月に続いてこの日がまだ2回目。それでも、我が国のパソコン業界で一時代を築いた西さんの技術者としての知見、マイクロソフト副社長としてビル・ゲイツ氏らと共に活躍した国際舞台での経験、須磨学園を率いる教育者としての情熱など、非常に興味深くお聴きしました。長い年月をかけて温めてこられた今回の大学構想にはそれらが反映され、優れた才能を見出し徹底的に育て上げるために考えられた、良い意味で日本離れした「規格外」の構想であると受け止めています。
学生さんが全国から集まり、全寮制であるため小田原に定住、学生生活を送り、講師の半分は外国人、授業の大半は英語、大手企業がスポンサーとなり学生のプロジェクトベースでの研究を受け入れるなど、この大学を起点に新たな活力が生まれ、関係が拡がっていくことでしょうし、市民の皆さんに開かれたキャンパスにも繋がっていくことでしょう。実現に向けての様々な課題を一つひとつクリアーし、2〜3年後の開学に向け協議が順調に進むよう、市としてもしっかりとコミットしていきます。
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法学部が横浜に移転したのち、材料・表面工学研究所を核とする「国際研究研修センター」として活用されている小田原キャンパスに、「日本先端大学(仮称)」を開設するとの構想が進んでおり、その実現可能性について協議開催の申し入れがあったことから、会見を行ったものです。
出席者は、関東学院大学の規矩(きく)学長、そして「日本先端大学(仮称)」設置準備委員会の西和彦委員長、ならびに私をはじめ文化部職員ら。西委員長は、かつて米国マイクロソフト社副社長、?アスキー社長などを歴任、当時のコンピューターソフト業界に先駆けて業界の発展に大きく貢献、一時代を築いた方。その後、いくつかの大学などで教鞭をとられ、須磨学園の学園長にも就かれながら、現在は東京大学大学院内の「IoTメディアラボラトリー」ディレクターなどを務めておられます。
設置される大学の学部等は、IoTメディア、デジタル医療情報工学、材料・表面工学の3分野。学生数は1,120人、1〜2年生は全寮制での学びを想定、活躍のフィールドは世界を見据えておられます。すでに、学長をはじめ教授陣の選定にも入っており、スポンサー企業の協力を得ていくお考えです。協議を進め、2〜3年後の開学を目指したいとのこと。
会見の詳細は、月曜日以降の日記などで紹介したいと思いますが、小田原の今後に大きな意味を持つ構想であり、実現に向け協議が順調に進むよう、市としてもしっかり協力していく考えです。