加藤けんいち日記

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シュヴァルツバルトを抜けて

  26日、視察プログラムへ出発する前の早朝、フライブルグ市街地を一人で散策。前日はゆっくりできる時間がほとんど取れなかったので、以前歩いた記憶を辿りながら、小1時間ほどでしたが石畳の街を巡りました。大聖堂の周りの広場では、花やソーセージなどを売るマルシェの出店準備がすでに始まっていました。
 

  この日の視察は、南ドイツの中で特に活発に再生可能エネルギー事業に取り組んでいる、ソーラーコンプレックス社の手がけた施設の訪問、およびシンゲン市にある同社でのレクチャー。フライブルグからバスで約2時間、広大なシュヴァルツバルト(「黒い森」)地帯を抜け、たおやかな高原状の丘陵地がどこまでも拡がる風景を眺めながらの移動。新緑が眩しい森、よく手入れのされた牧草地、黄色いカーペットを敷き詰めたような菜の花畑、清楚な白い花をいっぱいに開かせている林檎の木々、絵本に出てくるような農家…。見飽きることのない景色です。

 

  車中では、ベルリン在住の優秀な研究者で、今回通訳も兼ねて帯同頂いた西村さんから、ドイツの教育プロセスや働き方などについて詳しく聴かせてもらい、なぜドイツでこうしたエネルギー大転換が合理的に進んでいるのか、その前提となる国民性と社会参画の姿勢について、だいぶ納得がいきました。

 

  視察ではまず、ブージンゲンという村に設置されている太陽熱利用の熱供給施設へ。村に張り巡らせた5kmの配管網を通じ、約110の住宅や施設に熱を送っています。熱源はここで得られた温水と、補足的に用いるチップボイラー。次に訪ねたランデッグ村では、これから新たに設置される熱供給施設の工事現場も見せてもらいました。

 

  視察及び午後のご案内は、同社代表のミュラー氏と、通訳兼ガイドとして現地在住のジャーナリストである滝川薫さん。巨漢でとてもエネルギッシュなミュラー氏の話はたいへん興味深いものがありました。ソーラーコンプレックス社では、自治体や都市公社ではない民間企業としてこれらの事業に取り組んでおり、ボーデン湖周辺の村々でこうした地域単位での再生可能エネルギー事業を進めています。その事業を貫く理念は「市民企業」。地域の中にいる市民や企業の誰もが参加でき、事業に用いる人材や資源も、またそこから得られる経済的成果も、地域から求め地域に帰属させることで、地域循環を達成しています。

 

  自治体、都市公社だけではなく、先日カッセルで話しを伺った住民協同組合、更にはこうした市民企業などが重層的に活動を進めているドイツ。その背中はまだ遥か先であり追いつくには相当な時間がかかるでしょうが、とにかく、小田原で出来ることを着実に積み上げていくこと。ミュラーさんの熱く語る姿を拝見しながら、そんな思いを深めていました。

 

  濃密な学びの日々だったドイツ視察も、この日でプログラムは終了。帰国後、今回の成果を如何に小田原で活かしていくか。さっそくに、参加したメンバーの皆さんと意見交換し、具体的な動きに繋げていきたいと思います。次に訪独する時は、その成果を携え、今回お世話になった皆さんに報告したいものです。
 

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