加藤けんいち日記

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12年ぶりのフライブルグ

  25日朝、カッセルからICE(ドイツの高速列車)に乗り、ドイツ南部のフライブルグへ。カッセルでは少し肌寒くどんよりと雲がかかっていましたが、南に向かうにつれて青空が広がり、丘陵部に葡萄畑の広がるフライブルグに着く頃には、すっかり晴天となっていました。
 

  フライブルグには、市長に就任する2年前、持続可能な社会の先進地に学ぶべく二週間かけて欧州を訪ねた際、最後の数日間にわたり様々な取り組みや街づくりの様子を見せてもらっており、12年ぶりの再訪でした。その時にガイドを依頼した池田憲昭さんが、今回も訪問団のガイド役を引き受けられており、彼との再会もまた楽しみにしての訪問でした。
 

  到着後直ちに軽い昼食を済ませ、訪問団を2チームに分けて視察を開始。私は、前回は池田さんのガイドを受けていたので、今回はフライブルグを拠点に活躍されている環境ジャーナリストの村上敦さんのガイドによるチームに。午後1時半から夕方6時過ぎまでの、これまた相当に密度の濃い視察となりました。

 

  フライブルグ名物のトラム(路面電車)で中心部から少し郊外へ。人口が増え続けている状況に対応するための住宅供給ニーズ、加えて地域のエネルギー消費改善の目的も兼ねて、整備や大幅な改修工事が計画的に進められている公営集合住宅での取り組みと、市としての住宅政策の概要。隣接して設置されている、3万人への熱供給を行っている施設。かつての軍用施設跡地に市民主導で開発され世界的にも有名となった、ボーバン地区の街づくりの経緯と現在の様子。自動車の乗り入れが禁じられている中心市街地の賑わい…。

 

   村上さんは、それら視察を通じ一貫して、エネルギー政策の観点からの意義を明確に説明してくださいました。詳細は省きますが、化石燃料や原発に依存しないエネルギーへの大転換を、具体的かつ効果的に進めるためには、住宅部門や交通運輸部門などにおいて、現状の正確かつ克明な状況分析に基づいた政策とその計画的な実施が何より重要であり、フライブルグの取り組みはそのノウハウに満ちていました。
 

  私自身、12年前の視察では、ある意味憧れの地であったフライブルグの、観るもの全てが魅力的かつ理想の姿に思われ、それらをできる限り自分のマニフェストに反映をさせました。今回、就任後10年を経験してきた20万都市の現職市長として、改めてフライブルグの街で進められている果敢なチャレンジに接し、大いに感じるものがありました。また同時に、こうした素晴らしい街づくりの実際を、日々苦労をかけている職員たちにも見せたいとの思いも強く抱いたところです。

 

   12年前はまだ開発からの年数も浅かったボーバン地区は、年月が経過してすっかり「人が暮らしコミュニティが息づくまち」とでも言うべきエリアとなっておりました。溢れんばかりの緑、そこかしこにある憩い、若い親たちの語らい、車の入ってこない道や公園で走り回る大勢の子どもたち、近郊農家の新鮮な農産物で賑わう広場でのマルシェ…。そこには、紛れもなく、私がかつてフライブルグの街づくりに見出していた理想的な、持続可能な地域の表情が具現していました。そしてそれは、何かとても懐かしい風景にも思えました。ここで改めて見聞したことを、小田原でどう活かせるか。まとまらないままの様々な考えが、頭の中を巡っています。

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