2009.07.03 Friday
花菖蒲まつり
6月6日から約一ヵ月間にわたり小田原城東堀で行われた「花菖蒲まつり」の関係者の皆さんとお話をする機会がありました。私も期間中何度か会場に足を運びましたが、手入れの行き届いた花菖蒲の素晴らしさ、そして本丸広場の斜面に色鮮やかに展開したあじさいの素晴らしさ、この2つが相俟って見事な景観を創り出していました。雨の日も少なくありませんでしたが、砂利の撒布などこまめに対応され、また朝5時くらいから盛りの過ぎた花を摘み取るなどの作業をされるなど、実行委員となった皆さんや周辺市民の皆さんの熱意と係わりが、この見事な空間創りに結晶したと思います。聞くところによると期間中は昨年を上回る来訪者があったとのこと。そして今回はスタッフの皆さんらが作った周辺のマップ「小田原花めぐり食めぐり クチコミ100選」を手に、帰りに周辺商店街でお食事などされる人の数も増えたようです。
実行委員となられた市民や事業者の皆さんは、早速来年に向けての課題などを熱く語っておられました。本当に心強いことです。
昨日の記者会見では、21・22年度とかけて取り組む馬屋曲輪周辺整備事業についても発表させていただきましたが、着実に史跡整備や修景も進み、又同時に取り組む植栽管理なども併せ、小田原市民の誇りである小田原城跡の空間づくりが進みます。そこにイキイキとした輝きを加えるのは、何と言っても市民の皆さんの情熱と郷土愛だということをあらためて感じています。
2009.07.02 Thursday
“Power of Hope”
毎年この時期に、アメリカ・オクラホマ州のノーマン市から、小学校の先生方が小田原を訪れ、教育現場の視察や教職員との交流を行っています。昨日、今年の訪問団の皆さんが市役所に表敬に来てくださいました。現地に事業所をもつ、日立RAIDシステムの皆さんの仲立ちにより、既にこれまで50名近いノーマン市の先生方が小田原を訪ねてくれています。
約30分程度の意見交換などのあと、プレゼントを双方で渡しました。ノーマン市から頂いたのは、オクラホマのネイティブ(先住民)の系譜を引く芸術家の方が描かれた、一枚の絵。母と娘と思われる二人のネイティブが、しっかりとした眼差しで前を見据えている、その横顔が描かれています。タイトルは、” Power of Hope “。直訳では「希望の力」ですが、そのタイトルの通り、様々な困難や課題があっても、その先に希望が見えていれば、内なる力が沸々と湧き出て、前に進むことが出来る。そんな実感が、絵によく込められています。
返礼の言葉として、「今、私たちはまさに、市民の力で『新しい小田原』を創ろうと、進み始めたところ。この絵には、大いに共鳴するものがある」との意を伝えました。” Power of Hope “。よい言葉ですね。
昨日は、私が非常に期待をしている2つの案件についての報告が入りました。
ひとつは、「有機農業モデルタウン」への取り組み。「おだわら有機の里づくり協議会」の活動が立ち上がり、各4団体が相互にそれぞれの圃場(10ヶ所)を見学し、現場を介して親睦を深めながら、今後の取り組みへの具体的議論が始まっています。さっそく、他県のモデルタウンとの交流が始まったり、主管である農水省主催のシンポジウムなどで、小田原の取り組みについての報告が求められるなど、動きが出てきています。今後の展開が大いに楽しみです。
また(一昨日の日記でも書きましたが)「建設業と地域の元気回復助成事業」で採択された久野地域を舞台とする事業案の、実施主体となる7団体を代表して、小田原市土木建設組合の譲原理事長らが採択の報告に来てくれました。耕作放棄地の原状回復や、蕎麦の栽培、間伐材の加工、苗木生産業の技術開発など、多岐にわたるテーマがありますが、いずれも今後の地域振興に確実につながる技術シーズとなるので、ぜひ力を発揮して頂きたいとのお願いをさせて頂きました。
改めて考えると、放っておけばただの荒廃地を、土木建設業のノウハウによって開墾・原状復帰し、以後農地として永続的に生産が出来るようにし、そこからの収穫をもって地域を振興させる。これはまさに、二宮先生が農村復興で採用した手法そのものです。従来ですと、開墾及び原状復帰は賃労働として「1反当りいくら」で導入され、作業が追わればそれで業者の仕事は終わりです。しかし、それによって永続的にその土地が生産地として財を生み続ければ、土木建設業事業者が掘り起こしたその土地の「徳」は、永続的にもたらされるものであり、開墾作業に携わる方々が果たす役割はたいへん大きいものがあります。いずれにしても、この取り組みの成功は、今後のこの地域の土地にまつわる「無尽蔵」を開く上で、とても大きな意義を持ってくることでしょう。
2009.07.01 Wednesday
7月
梅雨のさなか、ずいぶん涼しい7月の入りです。九州地方では豪雨の影響が出始めており、心配されるところです。昨年のような集中豪雨の被害が、今年は少ないことを祈ります。
昨日で小田原市議会6月定例会も終わり、重要課題の解決や、諸案件の具体化に向けて、様々な作業が本格化していくことになります。「環境再生プロジェクト」「生ごみ堆肥化」の両検討委員会も立ち上がります。地域別計画に向けた地域まちづくり準備会も、各自治会連合会単位で徐々に設置が進む見込みです。並行して、今年度の25地区ごとの地区懇談会も、来週から週に2回のペースで始まり、10月末まで続きます。総合計画関連では「おだわらTRYフォーラム」が8月末までにあと3回、自治基本条例ではプレ検討委員会があと2回行われる予定。
昨日の一般質問の中でも、「いろいろなことを、一遍に進めており、事を急いているように見受けられる。職員や市民にも負担が大きいのでは。じっくりと進めるべきと思うが・・・」とのご質問を頂きました。確かに、いろいろなことが同時多発的に進んでいます。しかし、一日も早い解決が望まれている課題の緊急性と重要性、新総合計画策定の時期が決まっている中でそれに先行して取り組まねばならない課題の存在など、やはりどうしても今しっかりと集中的に取り組まねばならないものばかりであります。だからこそ、特定の方々に負担が集まらぬよう、広範な市民の皆さんのお力を借りて、事を進めなくてはいけません。
一方、国政の行方はいよいよ混沌としてきました。8月上旬の選挙の可能性が濃厚ですが、これに向けて地域内でも様々な動きが交錯してくることでしょう。元気な知事たちによる中央政界への揺さぶり、若手首長の台頭など、地方政治の担い手たちの存在感や役割もこれまで以上に大きくなっています。私は、このような局面だからこそ、地方は浮き足立たずに、それぞれの地盤にしっかりと足を着けて、まだまだ途上である「持続可能な地域社会」を創り上げるためのチャレンジをやりきることが肝要と考えています。それぞれの地域で確かな実践を深めること。これが唯一最大の基礎であり、それができればこの国の未来は自ずから開けると確信しています。
2009.06.30 Tuesday
元気回復助成事業、採択
先週6月25日付で、国土交通省から発表があり、「建設業と地域の元気回復助成事業」に本市から提出した「遊休農地や間伐材を活用したビジネスモデルの研究・実施」の事業計画案が採択されました。神奈川県内では2地域のみ、しかもこの補助制度のモデル的な取り組みとして、全国104地域の事業計画案の中から3案のみ紹介される「代表的事例」の筆頭に挙げられています。
内容は、久野地域を舞台として、荒廃農地の復元を地元建設業などの土木事業ノウハウを活かして進めること、それによって拓かれた農地で久野の特産でもあった蕎麦を栽培し地元の製粉業者で商品化すること、森林整備も兼ねて間伐等を行いその材を使って登山道や里山で使える土木資材等を作成すること、地場産業である苗木生産業の栽培技術向上や販路開拓など、地域資源を縦横に活かした事業案となっています。要は、地元の資源を活かし、地元の事業者を活かし、地元の住民も一緒になって力を合わせる。それを、有機的に繋ぐ事業です。予算は約2500万円。
受け皿となってくださった小田原市土木建設協同組合やJAかながわ西湘、小田原市森林組合、小田原市環境緑化協会、美しい久野里地里山協議会、久野自治会連合会の皆さんをはじめとする連係プレーの賜物であり、また事業案として纏め上げた建設部等国県事業関連の市職員もよく頑張りました。が、言うまでもなく、実際にこの事業案をやり遂げてこそ、であります。本市がこれから進めてゆく、地域単位での振興策のシンボル事業として、全面的に支援をしてゆくつもりです。
今日は、母の命日。墓参は週末に済ませておきました。母は、私が中学2年のときに他界。ちょうど、私の息子が今の年齢のときです。私の生後10ヶ月で父が他界した後、子ども3人を女手ひとつで育ててくれた母。中2の息子を残して逝くことの未練は、今となってはよく理解できます。親として、元気で働き、生きて、子の成長を見守る。両親ができなかった、この当たり前のことを、しっかりとやることも、母への供養かな、と思います。
2009.06.29 Monday
TRYフォーラム、スタート!
26日金曜、中心市街地活性化の最先端事例として注目されている高松市丸亀町商店会の古川さんが、小田原箱根商工会議所で講演されました。私が描く、小田原の中心市街地の再生モデルには、この丸亀町の取り組みが大きく影響しています。数年前、小田原で行われた講演会を聞いて衝撃を受け、市長選の前には自ら丸亀町に古川さんを訪ね、縷々お話を伺い、成功モデルへの確信を深めました。そして今回、小田原がいよいよ本気で中心市街地の再生を始めるタイミングに、聞き手も相当の覚悟を持って、古川さんのお話を聞かせてもらいました。市内の商店主や事業経営者、地域づくりの担い手の皆さん、市議の皆さんなど、150名近い皆さんが熱心に耳を傾けました。
短い期間の間に、着実に成果を出し、まちづくりを進める丸亀町の取り組みは、話を聞くたびに進化しており、いよいよ敬服させられます。始めたのが20年ほど前とのこと、今となっては過去の苦労など昔の話のように古川さんは話されますが、私たちにとってはここからが始まり。遥か前方を疾駆する先進地の姿を見失わないよう、私たちは本気で立ち上がらなくてはいけない。そんな思いを新たにしました。
27日は、おだわらTRYフォーラムの初日。小田原アリーナのメインアリーナに、180名ほどの市民の方、そして50名近い職員らが36のテーブルに別れ、最初のテーマである「小田原の魅力って何だろう」について、ディスカッションが行われました。壮観。「市民が主役の小田原」を創る、その姿が現実のものとして眼前にありました。
最初のうちこそ、初めて会う人たちと同席した緊張感やぎこちなさがありましたが、討議が進むにつれてすっかり打ち解け、市民の皆さん同士でどんどん話をすすめ、職員のサポートを受けつつ纏め上げてゆかれました。話し合われた中身も非常に興味深いものでしたが、そのコミュニケーションの「進化」の様子に、私は大いに感動し、そして確信を深めました。必ずやれる。
この場を実現した職員たちの力は、たいへんなものです。全くの初めての挑戦に、果敢に取り組んでくれました。市民の皆さんをリードする職員の和やかな横顔に、市民と職員が真のパートナーとなる「新しい小田原」の曙光を見た思いです。これからが楽しみです。
もうひとつ嬉しいことがありました。これまで親交を深めてきた吉田雄人さんが、僅差ながらも横須賀市長選挙で当選されました。小田原の昨年の市長選挙と同じく、すべて市民によるボランティアの選挙でした。日米の海軍基地を抱える中核市の舵取りは容易でないと思いますが、市民の力を推進力として、「新しい横須賀」が立ち上がってくるものと大いに期待しています。相模湾を共に抱くまちとして、十分に連携を取っていきたいと思います。
2009.06.26 Friday
明日からTRYフォーラム
昨日の小田原市議会6月定例会本会議で、お城通り地区再開発事業および新市民ホール整備事業関連の予算が削除された上で、補正予算修正案が可決となりました。一日も早い事業化が望まれる両事業であり、今回の補正予算はその具体化に向けより詳細な事業見通しを得るための作業にかかるものであっただけに、この修正で事業実現が遅延してしまうことを懸念しています。今回の修正にかかわらず、作業全体はもちろん粛々と進めますが、議会との十分な情報共有及び意思疎通の機会を確保し、市民や関係者の皆さんのご期待に応えなくてはなりません。
さて、明日27日は、新総合計画策定作業の大きな柱となる、おだわらTRYフォーラムが始まる日です。無作為抽出によりご案内を発送した3000人の市民のうち、参加の意思表示のあった皆さんなど、200名の市民の皆さんが小田原アリーナに集い、チームに分かれてディスカッションを行うというものです。無作為抽出という方式は、市民の誰もが市政に対し意見を述べる立場に就きうる仕組みです。これまで、三鷹や町田などで先行事例がありますが、これだけの規模で行うのはどうやら小田原が最初のようであります。日々の暮らしや小田原の未来に対して、思いはあっても意見を言う機会がなかった皆さんからの意見から、新しい小田原への具体的な歩みが見えてくることを心より期待するものです。
朝10時から午後3時くらいまで、メインアリーナで行われます。一般の方も周囲から議論の様子を見ていただくことが出来ます。私も会場に行き、議論の様子を見守ります。新しい形の検討作業がどんな雰囲気の中で行われるのか、ぜひ、多くの皆さんに直接見て・感じて頂きたいと思います。
2009.06.25 Thursday
今日から一般質問
今日から来週火曜日(6月30日)にかけての4日間、小田原市議会6月定例会の一般質問が行われます。昨日は、議員さんからの質問に対する執行部側の答弁準備に追われました。
今回の質問は15人。小田原駅・小田原城周辺の懸案に関するものから、自治基本条例、地域運営協議会、インフルエンザ対応、地域経済、福祉関連事業、高齢者の移動手段、農業活性化、待機児童問題など、多様なジャンルの質疑が行われる予定です。
一般質問の場は、私にとって、なぜそのような政策を導入するのか?どんな小田原を目指すのか?小田原として何を大切に育てようとするのか?そういったことを、答弁を通じて議員の皆さんに改めてお伝えする大切な機会です。
毎朝、娘と一緒に神棚の前で論語を読みますが、今日のテーマは「素直な心」でした。先入観や思い込み、いきがかりやメンツなどに囚われることなく、小田原のため、市民の幸せのために、今何をすべきか?という一点で、クリアーな質疑応答を心がけたいものです。
(一般質問の期間中は、日記の内容が薄くなると思いますが、ご容赦願います。)
2009.06.24 Wednesday
森林組合
先週の建設経済常任委員会、そして今週の総務常任委員会にて、お城通り地区再開発事業および新市民ホール事業に関する補正予算が減額修正されました。
まちづくりにおける重要懸案であるこの2事業については、厳しい財政状況下ではありますが、長年待ち望んでいた地権者や市民のご期待に応えるためにも、一日も早い事業化を目指そうとの方針の下、検討を行ってきました。検討委員会の精力的な検討成果を踏まえ、市の方針を大急ぎでまとめ、更にできるだけ早く事業化作業へ取り掛かるべく、その基礎的な部分についての予算を上げさせてもらったものです。3月30日の検討委員会からの報告、4月30日に市としての方針説明、そして6月議会での補正予算上程。然るべきプロセスを踏んで提出したつもりではありますが、市議会の皆さんの受け止め方として、予算化の前に議会と執行部の間で行うべき意見交換や議論が不十分では?とのご判断だったようです。
補正予算の取り扱いに対する市議会としての最終結論は本会議での採決(25日午前)によりますが、いずれにせよ委員会からの結論はしっかりと受け止め、議員の皆さんも同じ思いであろう、「一日も早い事業化」へ向けて、入念にコミュニケーションを取りながら、作業を進めていくつもりです。
さて、22日に、市役所庁舎内にある「小田原市森林組合」の事務所を訪ね、4名の職員さんたちと約1時間半、意見交換をしてきました。544名という大勢の組合員を擁する、森林組合。これからの地域作りの中で、「森を守り育てる」ことの重要さは益々高まっていますが、組合の活動や、森林の所有者の現状、また実際に森林を巡る市場や事業活動が現在どうなっているのか、市民の皆さんの目に触れる機会は極めて少ないのが現実です。広大な森林の管理、山林地権者の財産保全、貴重な自然環境としての整備など、多様な役割を持ちながら、たった4名でその任務を果たしている組合職員の皆さんに、率直な意見や、今後に向けての課題などを聞かせてもらいました。
本来主要な事業であるべき、木材の販売。ここが、基幹事業としての体をなさなくなっていることが根本的な問題です。木材市況の低迷により、伐採・搬出コストを賄うだけの売上にならない。次第に手入れができなくなる。枝打ちを怠ると、折れた枝から虫が入り込む。材にした時に、この虫食いの跡によって、材の価値が更に下がる・・・。この悪循環で、小田原周辺の山林は、材を売るという基本的な事業が成り立たなくなっているのです。これを補うべく、合板や集成材、あるいはベンチなどの加工品を手がけるなど努力が行われていますが、大きなマーケットにはなっていません。現在は、国や県からの森林管理作業の受託が、もっとも大きな事業部門となっています。神奈川県が始めた「水源環境税」の恩恵で、これまで放置されていた山林にも手入れができるようになり、山林主の意識も一部で変わり始めているようですが、相続などによる負担に耐え切れず、手放さざるを得ないケースも増えているようです。
次回は、実際に様々な森林の現場を案内してもらうこととしました。現場を共有しながら、多面的な価値を持つ森林をしっかりと守り育てるべく、アクションにつなげていこうと考えています。
2009.06.23 Tuesday
地域資源としての高校生
23日、かねてより訪問をしたいと思っていた、県立小田原城北工業高校を訪ねました。県内では二つしかない工業高校のうちの一校で、創立約半世紀の歴史を誇ります。名称は地域の中で勿論定着をしていますが、実際に校内でどんな授業が行われているか、知っている市民は少ないのではないでしょうか。
私は、これからの地域経済の振興には「ものづくり」という背骨をしっかりと立てる必要があると考えていますが、その担い手を育てる機能をもつ地域の工業高校という存在が、最近気になっていました。大きな可能性を持っているのではないか、と。
市民の皆さんの目に触れる成果があまりPRされていないのですが、誰もが目にするところでは、(株)小田原衛生美化サービスさんのゴミ収集車のボディに描かれた、夢のあるペインティング、あれは城北の生徒さんたちの作品です。
築後半世紀を経過し、独特の味わいを感じさせる校舎の中に、機械・建設・電気・デザインの4つの学科があり、それぞれに豊富な実習メニューを持ちながら、ものづくりの担い手育成が行われていました。電気科の1年生のクラスでは抵抗測定器の製作、機械科3年生のクラスでは、旋盤を使った部品製作、デザイン科3年生のクラスで陶芸や椅子の製作など、実際の授業風景を興味深く見せてもらいました。
それぞれの実習室には、歴代の生徒たちが使い込み、手入れを繰り返してきた機械や道具類がひしめき、存在感を放っています。シルク印刷用の木枠、最初に製作を手がけるモデルとしての木製椅子、油で丹念に手入れされ風格をもつ旋盤・・・。中には、既に伝承体制が途切れてしまった、鍛造部門(小田原鋳物など)の道具、一方で最近の工場には必ずあるコンピューター制御の金属加工機器等・・・。
また、木工の実習室には、近隣の自治会から依頼され2×4(ツーバイフォー)用材で作った木製ベンチが、出番を待って積まれています。試作品として教室の隅に積まれていた、商店の包装紙や紙袋のデザインは、なかなかユニーク・・・。
プロの世界のレベルには勿論追いつくことは難しいでしょうが、その予備軍として、工業高校の生徒さんたちのポテンシャルは非常に大きいと感じました。また、その才能とマンパワーが、うまく地域づくりの文脈の中で位置付けられ活かされれば、地域にとっても、また工業高校の生徒さんたちにとっても、素晴らしい関係ができるのではないでしょうか。
市民に対しての発表の場は、年に1度の市民会館での作品展であるらしいのですが、私としては、生徒さんたちが学校の中で実際に製作し技術研鑚を積んでいる姿こそ、ぜひ地域の人たちに見てもらいたいと思います。いずれにしても、今後、「ものづくりのまち・小田原」を進めて行く上で、城北工業の生徒さんたちの力を貸して頂きたいですね。
2009.06.22 Monday
下中(しもなか)の力
19日午後、国府津山から橘地区にかけての丘陵地帯を視察した後、橘商工会青年部およびJA橘支所青年部の皆さんとの意見交換会を行いました。3月に実施した、畜産共振会の酪農家の皆さんとの交流に続くものです。
橘地区はもともと「下中(しもなか)」と呼ばれてきた地域で、中村川を中心に、東西を広大な丘陵地帯が挟む形になっており、地形的な独立性もあって、地域の皆さんには自立の気概が強く備わっているように私は感じていました。実際、橘商工会などの活動は非常に結束が強く、青年部も元気で、橘地区のイベントに参加するたびに活力を感じます。豊かな自然環境の中、小田原唯一の酪農を持ち、農家の後継者も比較的多く、漬物や塩辛など様々な食品加工業者も立地、さらには国指定無形文化財の下中座(人形浄瑠璃)を擁するなど、魅力的な地域を形成するに十分な実力を持ったエリアなのです。ちなみに、市内の小中学校生徒が飲んでいる「きんたろう牛乳」は、この下中産の牛乳を使っています。
この地域で、何らかの地域振興事業ができるのではないか、いや、取り組むべきではないかとの思いから、今回も若手の皆さんと率直に意見交換をさせて頂いた次第です。国府津や下曽我から二宮・吾妻山に繋がるルートを作って花で集客してみてはどうか、下中特産のタマネギを全面に出して人を集められないか、酪農など体験農業を核とした滞在型の集客施設はどうか、等々。集まって頂いた十数名の、地域が誇る若手事業者の皆さんお一人ずつと言葉を交わしながら、現実には大変なご苦労があるものの、その先に、地域の豊かな未来を築いて行きたいのだ、との明るい決意を私は感じました。
今後も引き続き、具体的なテーマを想定しながら、勉強会などを続けてゆく予定。本当に楽しみです。
さて、21日は、ケアタウン構想検討委員会の第1回が開かれました。「新しい小田原」をつくる理念の3本柱の筆頭「いのちを大切にする小田原」の、まさに核となる取り組みで、いよいよ始まった、という思いです。初回と言うこともありますが、メンバーの皆さんに直接私の考えを伝えたく、またオープンで建設的な雰囲気の中で委員会をスタートさせたいとの思いもあり、私もフルに参加させてもらいました。
高齢者をめぐる問題、障害者をめぐる現状、保育や子育ての現状など、現実とその先行きはむろん厳しいものがありますが、様々なデータをつぶさに眺めてゆくと、問題の構造はかなり明瞭に見えています。そして、「地域の中でお互いに支えあってゆく」という解決策しかないことも、従来より指摘されている通りです。大切なことは、小田原で今から具体的に何をするか、ということです。小田原の地域にふさわしい、支え合いの地域の姿として、どのようなものを創るか、アクションが問われています。
幸いにも、今回の検討委員会の委員の皆さんは、既に地域で活躍されている自治会総連合・市社協・地区社協・民児協・障害者団体・保育会・社福法人・地域包括支援センターなどから参加された各分野での実践者に加え、熱心な市民委員、そして厚労省社会援護局出身の有識者などから構成され、皆さんたいへん熱心に関わって頂けそうです。委員長に就任された、伊東秀幸先生(田園調布学園大教授)は、小田原市中町出身、小田原高校卒、現在は南足柄市和田河原在住と、この地域を熟知しておられることも心強いです。
「小田原方式を考えましょう!」との意見も出されました。今後に大いに期待したいと思います。